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鱗紋:ウロコ

ウロコ
鱗紋:太平記によると、鎌倉幕府初代執権・北条時政が、江ノ島の弁財天に子孫繁栄を祈願した時、美女に返信した大蛇が神託を告げ、三枚の鱗を残して消えた。時政は祈願成就を喜び、その鱗を取って家紋にした、という。
カク

カク
角紋:紋章では、四角または八角に太線の輪が基本形で、他の紋章の輪郭に使われる事が多い。正方形を水平に置いた平角、平角を傾けた角田て角、方形の頂点に切り込みを入れた隅入り角、頂点を落とした八角形の隅切り角など、数多くのバリエーションがある。
キッコウ
亀甲
キッコウ
亀甲紋:出雲大社の神紋として知られる。祭神、大国主命の御威光が、亀甲さながら広く六方に行き渡る願いが込められている。亀甲紋は中に、カタバミや梅、唐花、花菱、鷹の羽等を入れるパターンが多く見られる。
クツワ

クツワ
轡紋:口輪または口割の意味。馬の口に噛ませて手綱を付ける金具を言う。他の馬具と同様、武運長久を願って紋章化されたと思われる。丸に十の字が原型。
ゲンジコウ
源氏香
ゲンジコウ
源氏香紋:仏教とともに伝わった香は、平安貴族に流行し、香合わせの遊びが生まれた。数種類の香を嗅ぎ分けるこの遊びは、室町時代に香道に発展し、江戸中期には庶民の間に広まった。
サンギ
算木
サンギ
算木紋:長さ7cm程の角棒。六本一組で計算や占いに用いる。三本は陽、中央にへこみを入れた三本は陰を表し、六十四通りの並べ方で易を立てた。引両に似ているが、算木は長さや形が一定している。
シッポウ
七宝
シッポウ
七宝紋:仏教では、金・銀・瑠璃等の七つの宝を言うが、模様では四つの紡錐形が集まって外側が円を成した図形を指す。この模様は正倉院蔵の薄衣等にも見られる。かもんは、七宝模様のアレンジや他の紋章との組み合わせが多い。大岡越前森忠相が使用。
スジカイ
筋違
スジカイ
筋違紋:二本の線を斜めに交差させた、いわゆる×印で、違棒とも言う。普通は建造物の柱の間に入れた木材を指すが、江戸時代、領地や財産の没収刑目印に用いられた。交差する線の面白さが紋章の起こりとされている。
タカラムスビ
宝結
タカラムスビ
宝結紋:紐を交差させて菱形を成す結び方のひとつで、水引き等に用いられる。めでたい印として紋章化されたとされる。
トモエ

トモエ
巴紋:トモエの始まりは、公家では西園寺、武家では鎌倉時代の宇都宮、小山、結城の三氏。室町時代になると、このほか、曽我、小早川、長尾、赤松ら諸氏がバラエティーに富んだ巴紋を用いた。江戸時代には、さらに多くの大名が用い、その数は三百以上にも達した。
ヒシ

ヒシ
菱紋:ヒシの使用家は多く、中でも四つ割り菱は甲斐源氏、武田家の正紋として名高い武田菱。菱は文様としても大変古く、シルクロードを経て献上された正倉院御物や、平安末期の「伴大納言絵詞」などの絵巻物に登場、武家を通じて好まれた代表的な紋のひとつ。
ヒキリョウ
引両
ヒキリョウ
引両紋:引竜、引霊、引領などとも書く。意味には諸説があり、例えば両は二つを表すことから二本線を引いたもの、両は霊の事で一本線と二本線はそれぞれ日と月を表す、両は龍で中の線は龍の姿を表す、等々。基本は足利尊氏が用いた二つ引き。
メユイ
目結
メユイ
目結紋:近江源氏・佐々木一族の代表家紋として有名。目結とは鹿子絞りの事で、布を糸で結び白い染め抜きを残す模様の事。目といっても眼ではなく、「間」の意味。「結」は文字通り結び合う事で、人と人との団結を意味している。
モジ
文字
モジ
文字紋:種類が豊富。感じが大部分だが、家紋として選んだ文字は意味を広義に捉え、吉祥的な縁起によっている。五百以上の種類が伝えられ、その基本的なパターンは、ゴシック調の角字形である。書体は楷書、行書をはじめ、模様の様に図案化した物もあり、その感覚はモダンレタリングに通じる所もある。
ワ

輪紋:車輪の様に平らな円形を輪という。輪紋は単独で用いる例は少なく、多くは他の紋の輪郭として多用されている。丸で囲むと形が整い、すわりがよくなるが、これは分家が宗家の定紋と区別する実用的な面からも必要であり、輪の形も色々増え、変化に富んだ物となった。