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朝顔紋:アサガオ
朝顔
アサガオ
朝顔紋:ヒルガオ科の一年草で蔓は左巻き。夏にラッパ状の大きな花を咲かす。日本には遣唐使によって紹介された。当時は種子を下剤や利尿剤に用いたが、演芸用品種に改良され発達した。家紋としては新しく、明治以降のものとされている。
梅紋:ウメ

ウメ
梅紋:天神様の神紋である。天神様は菅公=菅原道真を神として祀ったもので天満宮と言う。梅花紋と梅鉢紋の二系統があり、前者は梅花を写実的にデザインしたもので、抽象的にデフォルメし五弁の花を円に単純化した梅鉢が後者に当たる。
沢瀉紋:オモダカ
沢瀉
オモダカ
沢瀉紋:オモダカは、池や沢に自生するクワイと同系の宿根多年草。葉は矢じり形で、人の加尾(面)に似た葉が高くなる意から、面高(オモダカ)と呼ぶ。毛利氏の紋として知られているが、元就が川岸で戦勝した時、この花にトンボがとまっていて、その縁起の良さを記念した事に由来する。
杜若紋:カキツバタ
杜若
カキツバタ
杜若紋:「いずれがアヤメかカキツバタ」と言って、どちらも美しく優劣付け難いが、実際よく似ていて混同する花。湿地に自生するアヤメ科の多年草で、ハナショウブもこの仲間。葉は緑色、剣状で細長い。五、六月頃に五~六十 cmくらいの花茎を生じるが、中程に一葉があり、茎の先を包む二枚の葉の間から濃紫色の花三個を次々と咲かせる。
唐花紋:カラバナ
唐花
カラバナ
唐花紋:唐花紋の花弁は四と五が普通だが、六弁、八弁もあり、花弁の間から剣や蔓の出ている例もある、また四弁の菱形の物を唐花菱と言い、木瓜紋の基本形を成している。五弁のパターンは梅、桔梗、桜等のバージョンに似ており、特に八重、剣、蔓の五弁花はまぎらわしい。
桔梗紋:キキョウ
桔梗
キキョウ
桔梗紋:清和源氏頼光流、土岐一族の代表家紋。明智光秀、加藤清正、坂本龍馬もこの家紋だった。その可憐な姿はいかにも優しく女性的なため、代表的な女紋の一つとされている。
菊紋:キク

キク
菊紋:現在の日本で一番大切な紋章。パスポートに記載されている事より、その重大さが伺える。均整のとれた美しい花弁、さわやかな気品、邪気を払い、延命効果があるとされる瑞祥など、菊紋のモチーフはいずれも優雅でそれに凛然としたところがある。
桐紋:キリ

キリ
桐紋:皇室の副紋とされる桐紋は格式の高い紋章。菊紋についで最も名誉ある桐紋は武将の憧れの的であっただけに、盗用が多く発生し、豊臣秀吉が天正十九年に「菊桐禁止令」を施行した。
葛紋:クズ

クズ
葛紋:マメ科の蔓性草本で、秋の七草の一つに数えられる。約二十cmの花穂に紫紅色の蝶形の花を咲かす。その可憐な様が愛され、紋章に転化された。肥大した根を乾かした葛根は解熱剤、蔓は藤行李や葛布の材料となる。
クチナシ
梔子
クチナシ
梔子紋:果実が紅黄色に熟しても口を開かぬ事から名付けられた。乾かした果実は吐血、利尿剤、種は染料に用いられた。由来は不明で、新紋と思われる。
桜紋:サクラ

サクラ
桜紋:古来「花王」と称せられ、日本国花として昔から花と言えば桜を指した日本一の名花。桜紋は、花だけの物と花葉併用の物とがある。花弁の幅によって色々印象も異なるが、単弁の桜花を正面から見た型を描いた物が基本となっている。
水仙紋:スイセン
水仙
スイセン
水仙紋:ヒガンバナ科の多年草で、白色または淡黄色の花びら中央にラッパ状の副冠を有する。ギリシャ神話に美少年の化身として登場するが、日本に紹介されたのはそう古くない。家紋としては明治以降に出来た新紋と思われる。
菫紋:スミレ

スミレ
菫紋:春先、細く伸びた茎の先に濃紫色の花を一つ咲かせる。その可憐な姿は万葉人にも愛された。家紋は写実的な全形や、車形、抱き形など、毛利家の使用紋である。
橘紋:タチバナ

タチバナ
橘紋:橘は古代名で、現在のカラタチの花の事。五月頃、小さな五弁花が咲く。奈良時代には好んで庭に植えられ、京都御所の紫宸殿には「左近の桜」とともに「右近の橘」として残されている。
鉄線紋:テッセン
鉄線
テッセン
鉄線紋:菊唐草の別名を持つ中国原産の落葉蔓草。初夏、白色か淡青紫色の六弁花または八弁花を咲かせる。根は通風の薬。家紋は花を写実的に描いた物と、三弁または五弁に変形した物がある。
田字草紋:デンジソウ
田字草
デンジソウ
田字草紋:地沼に自生するシダ植物。小葉四枚から成る葉の形が田の字に似ているのでこの名がついた。「万葉集」「枕草子」には花かつみの異名で登場する。田字草の模様は平安時代の絵巻物「年中行事絵巻」「伴大納言絵詞」等に見られる。
撫子紋:ナデシコ
撫子
ナデシコ
撫子紋:秋の七草の一つとして古くから鑑賞されるナデシコ科の多年草。普通の山野に見られ、特に川原に多いためカワラナデシコとも呼ばれ、また、よく似た石竹に対して「ヤマトナデシコ」と愛称されている。純真可憐の象徴として「日本女性」のシンボルとなったこの大和撫子は、古く「万葉集」にも二十六首が詠まれており、昔から身近な草花として愛された。
蓮紋:ハス

ハス
蓮紋:インド原産で、仏教とは切り離せない花。古代中国から日本に渡来した。蜂の巣に似た様子から、古くはハチスと呼ばれた。初夏、白色または淡紅色の十六弁花を陽の当たるうちだけ開く。かもんは、花や葉を図案化した物である。
藤紋:フジ

フジ
フジ:使用する家の数、分布からいって、天下一第一の家紋。特に日本一の大姓「佐藤氏」をはじめとする伊藤、武藤、近藤などの「藤原一門」に多い。
牡丹紋:ボタン
牡丹
ボタン
牡丹紋:藤原氏の宗家である近衛家の正紋。徳川時代には菊、桐、葵の紋につぐ権威があった。その芳香も素晴らしく、天香国色として、中国では百花の王、富貴花とされている。
木瓜紋:モッコウ
木瓜
モッコウ
木瓜紋:優雅なイメージを唐様に描いた「唐花菱」を中心に添え、それを環状の枠で囲み、さらに太い外ワクでしっかりと包み込む、均整のとれた華麗さを冷静に定着させている。
山吹紋:ヤマブキ
山吹
ヤマブキ
ヤマブキ:バラ科の落葉木で春に黄色の五弁花を開く。橘諸兄が山城国の井手里に別館を構えた折、玉川当たりに咲く山吹を鑑賞したのが山吹紋の由来。橘紋と同様、橘家の代表家紋である。
夕顔紋:ユウガオ
夕顔
ユウガオ
ユウガオ:ウリ科の慢性一年草。夏の夕方、白い合弁花を開き、明け方はしぼむ、「源氏物語」に光源氏に密かに愛されてのち、はかなく生涯を終える女性として描かれている。家紋は、花・葉・実の図案化で、葉に月を添えたものもある。
蘭紋:ラン

ラン
蘭紋:常緑の長い葉を持つ日本産のシュンラン、カンラン、産地に生育するエビネ、クマガイソウ、シラン、熱帯産のカトレア、デンドロビウムなどを含む。家紋は、東洋ランの花や全体の形をアレンジしたもの。
竜胆紋:リンドウ
竜胆
リンドウ
竜胆紋:英雄源義経が用いただけに、源氏一族の代表家紋とされ、源を名乗る武家が好んで使用した。竜胆紋のプロトタイプは、三花五葉のもので、葉が竹の笹に似ているところから笹竜胆とも呼ばれる。リンドウ科の多年草で、秋深い高原に青紫の清楚な花を咲かせる。