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赤鳥紋:アカトリ
赤鳥・鏡
アカトリ
赤鳥紋:赤鳥紋は、櫛の歯の垢取りを形象化したもので、今川氏一族が使用。鏡紋は金属製の古代鏡の形象化で、神社関係者が多く使用している。
網・編目紋:アミ・アミメ
網・編目
アミ・アミメ
網・編目紋:魚を獲るための投網を竹に干した形で描いたもので、干網紋ともいう。丸(輪)に一つ網から三つ網まであり、東京の浅草神社は三つ網を神紋としている。衣服や茶碗模様の編目模様はあまり古くないといわれている。
庵紋:イオリ

イオリ
庵紋:草や木で作った掘っ建て小屋のことで、現代でいうプレハブのようなもので、農作業や行軍の際に休憩所に用いた。素朴で趣のあるたたずまい形象化し、中に木瓜などを入れて用いる事が多い。ちなみに「庵に木瓜」は曽我氏の家紋である。
井桁紋:イゲタ
井桁・井筒
イゲタ
井桁紋:井桁は、井戸の地上に出た部分に乗せる井の字型に木組みした枠。井筒は、井戸の地中に埋まった円筒形の部分、または石や木で囲った円形の井戸枠をいう。
糸巻紋:イトマキ
糸巻
イトマキ
糸巻紋:縫い糸を巻き取る道具で、四角い板状のもの、凧糸を巻く柄のついたワク糸、織糸を球形に巻き付けるための苧環形がある。生活に密着しており、形状のユニークさから紋章化したと思われる。
烏帽子紋:エボシ
烏帽子
エボシ
烏帽子紋:エボウシ、エンボウシとも言う。成人男子のかぶり物で、古くは階級や役職を表したが、平安時代になって公家は円筒形の立烏帽子を、武士は立烏帽子の先を少し折った折烏帽子を使用した。後世になると種類も増え、庶民にも用いられるようになった。
櫂紋:カイ

カイ
櫂紋:水をかいて船を進める棒状の船具、オールの事。語源は「掻き」で、和船用のものは鑪、古くはカヂともいった。海運を祈って紋章化したと思われるが、違い櫂、組み櫂、重ね櫂のほかの十字を組み込んだものもあるが、キリスト教信仰と関係があるといわれている。
垣紋:カキ

カキ
垣紋:神社の周囲に巡らされた瑞垣のことをいう。神域を囲むことから、神垣、玉垣、厳垣とも呼ばれた。垣紋は瑞垣を形象化したもので、後世になって竹垣や常磐垣などの変形ができた。
鍵紋:カギ

カギ
鍵紋:昔の鍵はこのような形状をしており、小さな穴から先端を入れ、中の木製の仕掛けを解く仕組みになっていた。富豪の象徴として、魔除けの意味を込めて用いられたと思われる。近世になって西洋の紋章も生まれたが、使用家が少なくはっきりとわからない。
舵紋:カジ

カジ
舵紋:小舟の端にはめて水をかくものがであり、この「舵」は艫につけて船の針路を定める道具のことをいう。一つ舵から三つ舵まであり、海事の繁栄を願って家紋に採用したといわれている。
カセギ紋
カセギ
カセギ
カセギ紋:紡いだ糸を巻き取る「エ」の字型の糸巻きのこと。同じ様な文様として糸巻き紋滕紋などがあるが、やはり日常に密接した道具ということで紋章化したと思われる。馬の轡に似ているので轡紋とも呼ばれる。
金輪紋:カナワ
金輪
カナワ
金輪紋:金属製のリングを図案化したもので、知恵の輪の様な重なり具合が描かれている。三つ金輪から七つ金輪まであり、太い二つ輪は輪違い紋として区別する。
釜敷紋:カマシキ
釜敷
カマシキ
釜敷紋:金輪紋の複雑に組み合わせ文字通り、床に釜を置く時に敷く釜敷を模したもの。バリエーションに雪形、桔梗形などがある。
傘紋:カラカサモン

カラカサ
傘紋:尚武紋とは違い、柄のついた傘のこと。世界各地でその起源は異なるが、実用化されたのは飛鳥、平安時代と言われている。枕草子には「からかさをさしたが、風がはげしく」というくだりがあり、家紋はこの「からかさ」が紋章化したものである。
鐶紋:カン

カン
鐶紋:タンスや手箱の引手に使用されている金具の事。日常頻繁に使われる道具と、曲線美、造形のユニークさから紋章化したと思われる。鐶紋に使用されているのは、角打の古い型ではなく、丸ごしらえのものである。数は3〜8が普通で、三つ鐶、八つ鐶などと呼ぶ。
祇園守紋:ギオンマモリ
祇園守
ギオンマモリ
祇園守紋:かつて祗園社、祗園天神と称した京都東山にある八坂神社のお守りの事。原型はお札を入れた竹製の「筒守り」を松の枝に紐で結び、歌を書いた短冊を下げたものである。やがて筒は呪符を表すx印に移行し、神の霊力の誇示などから装飾が施され、祗園守が生まれたとされている。
杵紋:キネ

キネ
杵紋:餅をつく道具のことである。槌形のものと米のモミなどをつく手キネと呼ばれる中央がくびれた棒キネがある。主に家紋として使用されているは後者の手キネであり、祝い事の餅つきにちなんで慶祝を意味する。丸囲みや月を配したものなどがあり、長唄家元の杵家は三つ杵である。
車紋:クルマ

クルマ
車紋:車は、「くるくる回る輪」が語源とされている。太古からものを運ぶ生活に密着した「輪」というツールは、奈良時代には荷物を運ぶ力車、平安時代になると、源氏車または御所車と呼ばれる貴族専用の牛車が車の代名詞となった。車紋は、この車輪を形象化したものがほとんどで、ほかに水車紋、風車紋がある。
笄紋:コウガイ

コウガイ
笄紋: 銀、象牙、べっ甲などで出来たカミカイが訛ってコウガイとなった。平安時代、髪の乱れを抑えたり、頭を掻く道具として男女共に用いた。笄紋はコウガイの頭の部分を図案化した物で、数が一から八まである。
五徳紋:ゴトク
五徳
ゴトク
五徳紋:鉄瓶や釜を火にかけるのに火鉢や炉の中に立てて使う道具。先端部分のフックに引っ掛けてて使う。ゴトクは火床(クトコ)の訛りである。智信仁勇厳の五徳に通じるところから家紋に採用されたとされている。
琴柱紋:コトジ
琴柱
コトジ
琴柱紋:琴の胴に立てて移動させ、音を調節する枕木。鎌倉時代から模様として用いられており、「一遍上人絵巻」「法然上人絵巻」などにも見られる。室町時代の馬の烙印に琴柱紋が既に使われていた事から、当時既に家紋として存在していたと思われる。
独楽紋:コマ
独楽
コマ
独楽紋:木製の丸い胴に心棒を通し、それを回転させて遊ぶ道具。平安時代以前に中国から渡来し、男児の遊戯として定着した。独楽紋には、胴の短いワリゴマと、長いムチゴマがあり、いずれも豊臣家ゆかりの家系が家紋として採用している。
駒紋:コマ

コマ
駒紋:駒紋には将棋の駒と三味線駒がある。将棋の駒紋は遣唐使によって渡来し、室町末期にこの形状になった。三味線駒とは、象牙、水牛角、竹などでできた絃受けの柱のこと。薄い台形の中央に丸穴があき、切込みが入っている。
盃・坏紋:サカズキ・ホイノシ
盃・坏
サカズキ
盃・坏紋:盃は酒器の一種で杯(ホイノシ)とも書く。どちらかというと杯は食物を盛る器であるが、どちらも神聖な儀式に用いられる。和式の結婚式、政、盃を酌み交わす、など義に通じるところから紋章化したと思われる。
敷石紋:シキイシ
敷石
シキイシ
敷石紋:四角い石を地上に敷き詰めた、いわゆる石畳を模したのが敷石紋で、石畳ともいう。敷石模様の衣服は平安時代の「年中行事絵巻」「伴大納言絵詞」に見られる。また、京歌舞伎の佐野川市松が連続模様を好んだので市松模様とも呼ぶ。
鈴紋:スズ

スズ
鈴紋:神事や祭事、装飾に使われた金属製の鈴。民具には土で出来た土鈴がある。新しい紋ほど鈴の数が少なくなる傾向にある。熊野神社の神官・鈴木氏が家紋としていたが、苗字にちなんだというよりも信仰的意味が深い。
銭紋:ゼニ

ゼニ
銭紋:和銅元年に造られた日本初の銅貨は人気がなく、当時の政府は鋳造を打ち切った背景があり、その後の輸入された中国貨幣が紋章化してできたものが銭紋のはじまりとされている。文字の書かれている有文銭のうち、日本で鋳造されたのは「寛永通宝」のみである。真田家の六文銭は仏教の六道銭(死者のお賽銭)に基づくものである。
滕紋:チギリ

チギリ
滕紋:織機に取り付けて縦糸を巻く「エ」の字型の糸巻き、または木や石を継ぎ合わせるカスガイ。滕紋はその前者の図案した物である。互いに結び合うめでたさの縁起の良さから家紋になった。
打板:チョウバン
打板
チョウバン
打板紋:禅寺で修行僧に時刻を知らせるために打ち鳴らした金属製の板、雲板ともいう。打板紋には、全形と頭部のみの二種類があり、禅宗関係者が家紋に用いた。シンプルながらもかもしだす曲線がなんとも見事な家紋のひとつ。
鼓紋:ツヅミ

ツヅミ
鼓紋:能楽や長唄の囃子に用いる打楽器の総称だが、鼓紋は胴のくびれた小鼓を図案化している。鼓の全体を写実的に模したものと、木製の胴部を配列したものがある。
槌紋:ツチ

ツチ
槌紋:金槌と木槌があり、昔から工具として広く用いられた。家紋の槌は後者であり、物を打つことから「敵を討つ」、「邪悪を討つ」に掛けたり、七福神は大黒天の打出の小槌のめでたさにあやかろうと紋章化したと思われる。
鳥居紋:トリイ
鳥居
トリイ
鳥居紋:神社などにおいて、神域と人間が住む俗界を区画する結界であり、神域への入口を示すもので、もともとは神にそなえるニワトリの止まり木を意味した。などとの組み合わせが見られ、使用家は神職社関係や氏子に多い。
熨斗紋:ノシ
熨斗
ノシ

熨斗紋:熨斗とは、アワビの肉を薄く剥いで平らに伸ばした「のしあわび」の略である。中国では乾貨という名の通り金銭にも通じる価値をもったこの保存食は、吉事や祝事、贈り物の添え物として盛んに利用された。現在は、黄色の細長い紙をアワビに擬し、これを方形の紙で包んだ「包みのし」が一般的に用いられている。
羽子板・羽根紋:ハゴイタ・ハネ
羽子板・羽
ハゴイタ
羽子板・羽根紋:羽根はムクロジの実に鳥の羽をさしたもの。この羽根を羽子板でつきあう遊びが室町時代の公家の子弟に流行し、江戸時代には庶民に広がった。そのころには押し絵をあしらった豪華なものも登場した。もともとは正月用の呪術具だったらしい。
旗・宝珠紋:ハタ・ホウジュ
旗・宝珠
ハタ
旗・宝珠紋:旗とは、布地の古い言い方「ハタ」を語源とし、平安時代にすでに軍陣の目印として使用されていたが、紋章化したのはその後明治以降と思われる。宝珠紋は宝にすべき玉を形象化したものであり、火炎を吹くものとそうでないものがある。宝から火が立ち上るその象形は何か神秘的な力を感じずにはいられない。

羽箒
ハボウキ
羽箒紋:鳥の羽で作った小さいホウキで、茶器や漆器などの埃を払うのに用いた。これを写実的に描いた羽箒の形は3つある。
半鐘紋:ハンショウ
半鐘
ハンショウ
半鐘紋:火災などの非常事態を知らせるのに用いた小型の釣り鐘のこと。家紋に使用されているものはすべてひとつであり、写実的に描かれている。
袋紋:フクロ

フクロ
袋紋:お守りなどお金など大切な物を入れるのに用いた。バリエーションに宝袋、砂金袋、匂袋など面白さに富んだものがある。いずれにしても福や宝を入れる事から縁起をかついで紋章化された物と思われる。大鳥神社や聖天宮の神紋である。
文紋:フミ

フミ
文紋:和紙に筆書きして折った結び文を紋章化したもの。福井万次郎氏著の「定紋の研究」には旧名家なしとある。近世の遊び人が作成し、衣服に使ったものと思われるが、粋である。携帯電話のないご時世、文に簪を刺して送る文など想像もできないが、たまには手紙もよいものである。
分銅紋:フンドウ
分銅
フンドウ
分銅紋:天秤で物の重さを計る時に使う銅製のおもりのこと。形状的な面白さ、正確に計る事の出来るツールとしての役割が紋章化したと思われる。変形に捻じ分銅、形状が家紋の中でも特に美しい分銅桜がある。
幣紋:ヘイ

ヘイ
幣紋:ヌサ、ニギテ、ミテグラともいう。神に供えるものとお祓いに用いるものの二種類があり、前者は麻、木綿、紙などを、後者は竹谷榊に紙をつけたりする。現在も建前やお祓いに神主が弊を使用している。熊野神社神官の鈴木家、亀井家が用いた。鈴、榊、松などと組み合わせたバリエーションもある。
瓶子紋:ヘイシ
瓶子
ヘイシ
瓶子紋:瓶子とは瓶、カメのことであり、水や酒を入れる入れ物の事である。壺型、徳利型、細長い瓶型などがあり、これらを総称として陶(すえ)と総称した。神に酒を供えるための器であったため、神官やその関係者の家紋に使用されている事が多い。
帆・船紋:ホ・フネ
帆・船
ホ・フネ
帆・船紋:船を写実的に描いた船紋には帆掛船、飾り船、木の葉船の3種類があるが、当サイトでは飾り「宝船」を代表に選んである。海事に関係のある一族か、何かの記念にちなんで紋章化したと思われる。帆掛船は村上天皇を祖とする名和氏の使用紋。浪を配した紋を総称して木の葉船という。
枡紋:マス

マス
枡紋:液体や固体、形の定まらない物の容量を量る器の事。升とも書く。方形、円形、円筒形、円錐形など形は様々であり、金属製、木製、ガラス製などがある。なかでも木製の方形枡は東洋独特のものであり、単位が斗、升、合と十進法が用いられ、特に中国や日本では古くから容量の基準に使われてきた。一升は1.8L。
鞠・鞠挟み紋:マリ・マリバサミ
鞠・鞠挟み
マリバサミ
鞠・鞠挟み紋:貴族の間で流行した遊戯の蹴鞠が発祥と思われる。鹿のなめし革で作ったものや、絹を巻き上げたものがある。いずれも中央に縫い目を表す線が入っている。鞠挟み紋は、鞠を挟む六角形の道具を図案化したもので、松平氏や板倉氏が使用した。
澪標紋:ミオツクシ
澪標
ミオツクシ
澪標紋:水路に立てる目印の杭のことで、「水脈之杭」が語源である。シンメトリーな幾何学模様が面白くシンプルな紋。また、主君に「身を尽くす」という意味をかけて家紋とされた。大阪市のシンボルでもある。
輪鼓紋:リュウゴ
輪鼓
リュウゴ
輪鼓紋:立鼓、流鼓、輪子などとも書く。胴のくびれに糸を巻き付け、回しながら投げたり受けたりして遊ぶ道具。海外でも同じ様な形状の遊戯道具がある。織田信長が戦略に繋がる遊戯として奨励した事から、家紋に採用する家臣もいたとか。